紙芝居三賞(五山賞・右手賞・堀尾賞)決定
【2025-069】
文民教育協会子どもの文化研究所は、第63回五山賞、第10回右手悟浄・和子賞(右手賞)、第6回堀尾賞の受賞者・受賞作品が決定したと発表し、2025年9月に贈呈式が行われた。
五山賞は、高橋五山氏の業績を顕影して設けられ、一年間に出版された最も優秀な紙芝居作品に授与される。右手賞は、右手悟浄氏と右手和子氏の親子二代の業績を記念した賞で、紙芝居の演者や、普及活動に優れた業績を上げる個人・団体に授与される。堀尾賞は、堀尾青史氏の業績と生誕100年を記念して設けられ、紙芝居にかかわる研究、調査、出版、評論活動など、広く紙芝居文化の振興に貢献した個人・団体を対象に隔年ごとに授与される。
なお、各賞の詳細、選考経過は『子どもの文化』57巻6号に掲載されている。
第63回五山賞 絵画賞
- はじめてのやぎとライオン
- 小山友子 絵、教育画劇、2025年、ISBN:978-4-7746-1887-6
中南米の民話をもとに書かれた作品。親しみやすく、アナログとデジタルの技法を融合した絵と、物語に出てくる歌に合わせた絵画表現が評価された。画家の小山氏は、2010年ボローニャ国際絵本原画展入選の経歴を持つ。
第10回右手賞 団体賞
- 越前らくひょうしぎの会
手づくり舞台や拍子木、紙芝居の寄贈など、紙芝居を演じるための環境づくりに取り組んだこと、また、演じ方教室・作り方教室や研修会などを通じて演じ手・作り手を育成する人的環境にも力を入れたことが高く評価された。
第6回堀尾賞
- 谷 暎子氏(元北星学園大学文学部教授)
占領期児童出版物研究の第一人者であり、GHQによる紙芝居検閲についても数々の研究成果を発表している(著書に『占領下の児童出版物とGHQの検閲:ゴードン・W・プランゲ文庫に探る』(共同文化社, 2016)等)。また、北海道で活発に繰り広げられた紙芝居にかかわる活動について、長年にわたって調査を続けている点も評価された。
Ref:
- 文民教育協会子どもの文化研究所・子どもの文化学校 > 紙芝居資料室
https://kodomonobunnka.or.jp/kamishibai/#award - 高橋五山賞(児童文学賞一覧(国内の主な児童文学賞))
https://www.kodomo.go.jp/info/award/index.html#gozan
(2025.09.21 update)