第1回10代がえらぶ海外文学大賞の受賞作品決定

【2025-090】

「10代がえらぶ海外文学大賞」は、海外文学の魅力を広めることを目的として、2025年に創設された。若い世代が海外文学に出会う機会を増やしたいという翻訳家の三辺律子氏の思いに、翻訳家の金原瑞人氏らが賛同したことで実現し、一般社団法人青少年読書推進機構が主催している。

第一次投票として、2024年に出版された10代が主人公の翻訳作品(グラフィックノベル、漫画、絵本、古典新訳を含む。選考委員が翻訳したものは除く。)を対象に、すべての年齢の読者から推薦作品を募集し、そこに選考委員の選んだ作品も加え、ノミネート作7冊を決定。そして、10代の読者による第二次投票の結果、2025年10月31日(金)、第1回の受賞作品が以下のとおりに決定した。

受賞作品(一覧)

大賞

ソリアを森へ: マレーグマを救ったチャーンの物語
チャン・グエン作、ジート・ズーン絵、杉田七重訳、鈴木出版、2024年、ISBN:978-4-7902-5440-9

幼い頃、虐待されているマレーグマを見たことから、自然保護活動に携わるようになったベトナムの環境活動家チャン・グエンの自伝的グラフィックノベル。

特別賞

闇に願いを
クリスティーナ・スーントーンヴァット作、こだまともこ・辻村万実訳、静山社、2024年、ISBN:978-4-86389-753-3

タイを思わせる架空の国が舞台のファンタジー。総統が生み出す光に支配された街で、刑務所で生まれた少年が脱獄し、刑務所長の娘がその後を追う。

Ref:

(2025.12.10 update)