児童文学連続講座

児童サービスに従事する全国の各種図書館員等の幅広い知識のかん養に資することを目的として、平成16年度から児童文学連続講座を開催しています。
令和7年度児童文学連続講座のご案内
総合テーマ「物語の伝え方―児童文学基礎講座―」
児童文学、詩、昔話、絵本など、子どもに物語を伝える表現形式は実に多様です。それぞれの形式には独自の魅力があり、子どもたちの心に深く響く力を持っています。今年度は、「物語の伝え方―児童文学基礎講座―」と題して、こうした多様な表現方法に焦点を当てながら、児童書や児童サービスに携わるみなさまに必要となる基本的な知識を学んでいきます。
まず総論として、文字によって綴られた物語の特長を考察します。各論では、詩を子どもとともに楽しむ方法や、昔話が持つ魅力、さらに絵本における表現技法について、具体的な例を交えながらご紹介します。また、国際子ども図書館の所蔵資料の検索方法についてもご説明します。さらに、昨年度に引き続き、参加者のみなさんにオンラインでグループディスカッションをしていただく科目も設けました。
この講座をとおして、どのように子どもたちへ物語を手渡していくことができるのか、みなさんと考えていきたいと思っています。
監修 今田 由香(日本女子大学准教授、国立国会図書館客員調査員)
開催概要
総合テーマ | 「物語の伝え方―児童文学基礎講座―」 |
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形式 | オンライン同時配信形式(Microsoft Teamsを使用) |
日程 | 令和7年10月27日(月)、28日(火) ※令和7年12月~令和8年3月31日(火)、グループディスカッションを除く当日の講義録画の配信を行う予定です。 |
参加費 | 無料 |
定員 | 400名程度(先着順)。 ただし、オンラインによるグループディスカッションのみ定員50名(先着順)。 |
申込受付期間 | 令和7年8月26日(火)~10月7日(火) ※定員に達し次第、受付を終了する予定です。 |
申込方法 | 以下のフォームからお申し込みください。 ※当日参加される方のみ、お申し込みください。講義の録画配信については、別途、準備ができ次第このページでご案内いたします。 |
※詳細は変更になることがあります。
講義内容
※各講義のレジュメ・資料リストは開催前日までにこのページに掲載します。各自ダウンロードのうえ、受講をお願いいたします。
令和7年10月27日(月)10時~11時30分
「児童文学概論―文字で書かれた物語の力―」
講師:横川 寿美子(元帝塚山学院大学教授)
今日、子どもに物語を届ける手段としては、マンガやアニメーションなど、さまざまなメディアが存在します。そういう中で、文字で本を書く、という昔ながらの方法はどういう意味を持っているのでしょうか。古典作品、現代作品の両方を取り上げながら、文字だからこそ届けられる物語の特長について考えます。
令和7年10月27日(月)13時~14時30分
「「詩」とは何か、どう手渡すか―日本の子どもの文学における「詩的なもの」についても―」
講師:宮川 健郎(大阪国際児童文学振興財団理事、武蔵野大学名誉教授)
どんなふうにして、詩を子どもたちといっしょに楽しむか、具体的にご提案したいと思います。また、日本の子どもの文学は、詩的で象徴的な「童話」から、もっと散文的な「現代児童文学」へと転換したと考えられます。この文学史を確認しながら、童話という「詩的なもの」のもつ可能性についても考えます。
令和7年10月27日(月)15時~15時40分
「国立国会図書館サーチで国内刊行の児童書を探す」
講師:国立国会図書館国際子ども図書館職員
国立国会図書館が納本制度で収集した国内出版物のうち、おおむね18歳以下向けの図書や雑誌は原則として国際子ども図書館で所蔵しています。それらを国立国会図書館サーチで検索する方法をご紹介します。国立国会図書館サーチでは、国立国会図書館や、国立国会図書館とデータ連携している全国の図書館の所蔵資料を検索できます。
令和7年10月28日(火)10時~11時30分
「語り継がれる昔話、その魅力」
講師:久保 華誉(学習院大学、武蔵野大学非常勤講師)
空前の大ヒットを収めた漫画、アニメの『鬼滅の刃』には昔話のモティーフがふんだんに見られます。また少し時間をさかのぼり、明治期の道徳教育に利用されたグリム童話や、巌谷小波による昔話の翻案を通して、昔話の特性を読み解いてゆきます。現代でも愛される、耳で聴く文芸としての昔話の魅力をご紹介したいと思います。
令和7年10月28日(火)13時~14時30分
「絵本とはどのようなメディアなのか ―語りの技法を知る―」
講師:今田 由香(日本女子大学准教授、国立国会図書館客員調査員)
絵本とはどのようなメディアでしょうか。どのように物語が語られてきたのでしょうか。本講義では、物語るメディアとしての絵本に注目します。色、構図、余白、判型、構成、素材などを物語表現に用いた作品を紹介しながら、絵本における語りの技法の多様性を確認するとともに、絵本の読書がもたらす体験についても考えます。
令和7年10月28日(火)15時~16時30分
「グループディスカッション―子どもに本を手渡すとき考えていること」
モデレーター:今田 由香(日本女子大学准教授、国立国会図書館客員調査員)
ふだんから本や子どもと関わっているみなさんと、子どもへの本の手渡し方について語りあってみませんか。オンラインだからこそ、遠く離れた地域の方とも気軽につながり、交流することができます。
※この科目では、少人数のグループに分かれてディスカッションを行います。ディスカッション中はマイクとカメラをオンにしていただきますので、ご了承の上お申し込みください。
各回の概要と講義録
過去の児童文学連続講座の講義録は、印刷版として刊行するとともに、国際子ども図書館ホームページにもPDFファイルで掲載していますので、ご利用ください。
過去の児童文学連続講座の概要と講義録は以下のページからご覧いただけます。
国立国会図書館国際子ども図書館 企画協力課協力係
メールアドレス:kenshu
電話:03-3827-2053(開館日の9時30分~17時)
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