国際識字デー(9月8日)

【2016-107】

9月8日の国際識字デーに際し、児童向けの出版・教育などを手掛ける米国のScholastic社は、 米国、英国、オーストラリア、インドの4か国の子どもを対象にしたKids & Family Reading Reportの調査結果をまとめ、公表した。各国で、0歳から17歳までの子どもを持つ親、1,000人以上と、6歳から17歳の子ども、695人以上が調査対象となった。同報告書により、平均して子どもたちの3人に1人は、週に5冊かそれ以上の本を楽しみのために読むことが明らかになった。また、子どもが読書を楽しむことができるようになるための4つのポイントが公表された。ポイントは以下のとおり。

  • 子どもに自分で本を選ばせること
    6歳から17歳の子どもの10人に9人は、“自分で選らんだ”本の方が、読み終える傾向にある(米国で90%、オーストラリアで89%、インドで86%、そして英国で84%)。
  • 読み聞かせを続けること(なるべく頻繁に)
    6歳から17歳の子どもたちは、家で読み聞かせをしてもらう時間が好き(もしくは好きだった)との結果(オーストラリアで86%、インドで83%、米国で83%、英国で83%)で、その最たる理由は、“親との特別な時間だから”というものだった。子どもが6歳のときに読み聞かせをやめる親が多くみられる一方で、家で本を読む6歳から11歳の子どもたちの多くは、読み聞かせを続けてほしかったという(インドで57%、米国で40%、オーストラリアで36%、英国で31%)。
  • 親が読書の手本となること
    各国において、頻繁に読書をするようになる子どもには、自らが読書をしているか、週に5日かそれ以上子どもに読み聞かせをしている親がいる。
  • 楽しく読むことを知ること
    “笑わせてくれること”が、子どもが楽しみのために読む本を選ぶ際の主な基準となっている(米国で70%、英国で63%、インドで62%、オーストラリアで61%)。

“Captain Underpants”シリーズやグラフィックノベルの“Dog Man”のシリーズといった、世界的なベストセラーを世に送りだしてきたDav Pilkeyは、「子どもたちに、自分が読みたい本を探す機会を与えることは、子どもと読書の楽しみを結びつけるために、非常に重要である」と述べ、「自分で選ぶということは重要だ。それにより、私自身も生涯の読者となったのだ」と、続けた。

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(2016.11.21 update)

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