子どもの読書傾向に関する調査 “What Kids Are Reading 2017”(英国)

【2017-029】

英国ダンディー大学(University of Dundee)の Keith Topping 教授が、子どもの読書傾向に関する調査 “What Kids Are Reading” の結果を発表した。今回で9回目を迎えるこの調査は、2015年8月1日から2016年7月31日まで、英国の3,897校で生徒約848,219人(昨年比17%増)を対象に行われた。主な調査結果は以下のとおりである。

  • ・全体として、本の難易度はわずかに上昇傾向にある。
  • ・読解の正確さについても上昇傾向にあるものの、学年が上がるにつれて下がってくる。
  • ・平均的に、女子に比べて男子の方が難易度の低い本を読む。
  • ・関心のある本であれば、より難易度の高い本でも正確に理解することができる。
  • ・中学生になると、関心のある本であっても難易度の低い本を読む。また、高い能力をもった読者であっても、実力よりも低い難易度の本を読む。
  • ・ノンフィクションに関しては、実力よりも難易度の低い本が読まれ、中学生には特に、男性が活躍する本が選ばれている。

同調査では、今後の課題として、特に中学校にあがった生徒たちが、より高い難易度の本に挑戦できるようなサポートや、高い能力をもつ読者にもより難易度の高い本を読むように促す必要があること等を示している。また、子どもたちに最も人気のある作家は、3年連続で「グレッグのダメ日記」シリーズの著者Jeff Kinney(ジェフ・キニー)となった。

Ref:

(2017.04.25 update)