子どもたちに本を届けるBooks on Bikes(米国)

【2017-072】

米国ヴァージニア州シャーロッツヴィルで、自転車で子どもたちに本を届ける活動Books on Bikesが行われている。今年で6度目となる。

Books on Bikesの活動は、学校図書館員と教師によるグループが、夏休みの間自転車で学区の生徒たちに本を届けてまわり、主に子どもたちが手にとりたくなるような本を運ぶことで、夏の間も子どもたちが、読書の楽しさから離れないようにすることを目的としている。生徒たちの54%は経済的に恵まれない家庭の子どもだという。家にあまり本がない生徒たちに、学校が休みの間にも本を届けられるようにと、小学校の学校図書館員二人によって始められた。

ひと夏活動を行った後、起伏のあるシャーロッツヴィルという地域でなるべく多くの本を運ぶのに適した自転車を購入するため、クラウドファンディングによる資金調達を行うキャンペーンを行った。子どもたちに映像制作を教える非営利団体Light House Studioの助けを借り、キャンペーンビデオを作成した。ドミノのように倒れていく本が学校から近隣の子どもたちのもとへ届けられる映像により集まった資金は5,000ドル以上にもなった。さらに、地域の図書館、作家、出版社等からも本の寄付があり、二人の図書館員から始まった活動は、拡大していっている。

2015年には、Books on Bikesのメンバーにセラピー犬が加わった。犬がいることで子どもたちは落ち着き、動物がそばにいることの楽しさを知る。また、人付き合いを苦手とする子どもと接する際、犬を介することで子どもがリラックスすることもある。また、セラピー犬は、子どもたちが声にだして本を読むときにすばらしい聞き手にもなる。ある調査によると、声にだして読むのに抵抗がある子どもたちは、人間よりも犬にむかって読んだ方がなめらかに読むことができるという。

こうしたBooks on Bikesの活動は、ワシントン州のシアトルやウィスコンシン州のシボイガンをはじめ、現在、米国中に広まりつつある。

Ref:

(2017.08.20 update)