令和2年度「学校図書館の現状に関する調査」結果 公表

【2021-095】

2021年7月29日(木)、文部科学省は「学校図書館の現状に関する調査」の結果を公表した。

同調査は、小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、義務教育学校および中等教育学校を対象に、司書教諭や学校司書などの人的整備の状況、蔵書などの物的整備の状況、学校図書館の活用および読書活動の状況を調査するものである。

調査結果の概要等

調査結果の概要について、文部科学省は以下のとおりまとめている。

(1)「学校司書」を配置している学校の割合は、小・中学校は前回(平成28年度調査)より増加(小学校58.8%→68.8%、中学校58.0%→64.1%)したが、高等学校は減少(66.6%→63.0%)。

(2)公立義務教育諸学校の学校図書館に整備すべき蔵書冊数の標準を学級数に応じて定めた「学校図書館図書標準」を達成している学校の割合は、小・中学校で増加(小学校66.4%→71.2%、中学校55.3%→61.1%)しているものの、その割合はいまだ十分ではない状況。

(3)学校に新聞を配備している学校の割合は、小・中・高等学校で前回より増加(小学校41.1%→56.9%、中学校37.7%→56.8%、高等学校91.0%→95.1%)。

また、前回まで実施していなかった「児童生徒等の読書環境の整備に資する多様な蔵書の整備状況」の調査が行われており、これによると、点字図書や拡大図書、大活字図書を所蔵している学校の割合はそれなりにあるものの、電子書籍やマルチメディアデイジー図書を所蔵している学校図書館の割合は1%前後にとどまっている。

このほか、「全校一斉の読書活動の実施状況」の調査においては、小・中・高等学校で減少が見られるが、むしろ、全校一斉の読書活動以外の取り組み、例えば、読書会や書評合戦(ビブリオバトル)の実施という新たな取り組みが目立つようになってきている。

文部科学省はこれらの調査結果を受け、今後の対応として、学校司書、図書および新聞については「学校図書館図書整備等5か年計画」(平成29年度~令和3年度)を推進すること、また、「学校図書館ガイドライン」に基づいて、学校図書館の充実に向けての取り組みを促すことなどを挙げている。

次回の調査は、令和7(2025)年度に予定されている。

Ref:

(2021.08.19 update)

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