吉田誠治 著『ものがたりの家-吉田誠治 美術設定集-』がバチェルダー賞を受賞

【2024-019】

2024年1月22日(月)、米国図書館協会児童図書館サービス協会(Association for Library Service to Children, a division of the American Library Association: ALSC, ALA)は、2024年のバチェルダー賞(Mildred L. Batchelder Award)受賞作品が、吉田誠治による『ものがたりの家-吉田誠治 美術設定集-』(2020年、パイ インターナショナル)から英訳された “Houses with a Story: A Dragon’s Den, a Ghostly Mansion, a Library of Lost Books, and 30 More Amazing Places to Explore” に決定したと発表した。

同作には、想像上の家とそこに暮らす者たちが絵と文で説明されている。同賞審査委員長は、「魅力的な家とその住人を通して、読者はたくさんの物語と出会う。それにインスピレーションを得て、自分の物語を作ることもあるだろう」と評した。吉田氏は背景グラフィッカー、イラストレーターであり、ゲームの背景や装画などを手がけている。

同作は、米国の出版情報誌 Publishers Weekly が発表する Best Books 2023にも選出されている。

バチェルダー賞は、英語に翻訳され、前年に米国で出版された児童書を対象とする。今回、次点作品にあたるバチェルダー賞オナーブックには、柏葉幸子 作『岬のマヨイガ』(2015年、講談社)から英訳された “The House of the Lost on the Cape” も選出されている。

過去にバチェルダー賞を受賞した日本の作品は、以下の5作品である(書誌情報は原作のものを記載した)。

  • 1983年受賞:丸木俊 え・文『ひろしまのピカ』(1980年、小峰書店)
  • 1997年受賞:湯本香樹実 作『夏の庭 The friends』(1992年、福武書店)
  • 2008年受賞:宮部みゆき 著『ブレイブ・ストーリー』(2003年、角川書店)
  • 2009年受賞:上橋菜穂子 作, 二木真希子 絵『精霊の守り人』(1996年、偕成社)
  • 2022年受賞:柏葉幸子 作『帰命寺横丁の夏』(2011年、講談社)
  • Ref:

    (2024.03.15 update)