児童文学連続講座 平成22年度
総合テーマ「日本の児童文学者たち」
今回の連続講座では、宮沢賢治、新美南吉、金子みすゞ、石井桃子、赤羽末吉という五人の児童文学者を取り上げます。日本の児童文学に新しい領域を開いた作家や詩人、画家であり、その作品は、現在も子どもたちに読みつがれています。
五人の児童文学者を語ってくださるのにふさわしい講師を得て、それぞれの仕事の特質を学ぶとともに、五人の仕事をとおして、日本児童文学の歴史と現在を見通す場にしたいと考えます。さらに、日本児童文学の蓄積を今日の児童サービスにどう生かしていくことができるかということも考えていくことになるでしょう。受講生にとって深い学びがあると同時に、受講生同士の学びの交流がある講座になるように、また、講座での学びを図書館の現場に持ち帰ることができるようにしたいものです。ご参加をお待ちしております。
宮川 健郎(みやかわ たけお)
国立国会図書館客員調査員(平成20年度~)。
立教大学文学部日本文学科卒、同大学大学院文学研究科日本文学専攻博士前期課程修了。宮城教育大学、明星大学勤務を経て、現在は武蔵野大学教授。JBBY(社団法人日本国際児童図書評議会)副会長。
編著書『きょうはこの本読みたいな』全16巻(共編)、『きょうもおはなしよみたいな』全8巻(共編)、『現代児童文学の語るもの』、『国語教育と現代児童文学のあいだ』、『子どもの本のはるなつあきふゆ』、『名作童話を読む 未明・賢治・南吉』等
平成22年度 児童文学連続講座−国際子ども図書館所蔵資料を使って
総合テーマ |
「日本の児童文学者たち」 監修 宮川 健郎(国立国会図書館客員調査員 |
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開催時期 | 平成22年11月8日(月)、9日(火) |
会場 | 国際子ども図書館 3階 ホール |
対象 | 現在、図書館などにおいて児童サービスに従事する方。 1機関1名。定員60名。2日間連続して受講できる方を優先します。応募多数の場合は調整させていただきます。 |
備考 | 連続講座の全課程を修了した方に対し、国際子ども図書館長名の修了証書を授与します。 |
講義内容・時間割
総合テーマ 「日本の児童文学者たち」
1日目 11月8日(月)
時間 | 内容 | 講師 | 当日配布資料 |
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9:00 | 受付開始 | ||
9:30-10:10 | 館内見学 | ||
10:10-10:20 | 開会、諸注意 | ||
10:20-12:00 | 賢治童話と子ども読者 | 宮川 健郎(国立国会図書館客員調査員) 宮沢賢治の童話は、賢治の生涯や思想とかかわって論じられることが多いけれど、子ども読者は、それをどう読むのでしょうか。講師自身がかつて試みた、子どもたちへのインタビューや調査を踏まえて考えます。また、賢治童話の絵本化や紙芝居化のもつ可能性と問題点についてもふれる予定です。 |
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12:00-13:00 | 休憩 | ||
13:00-14:40 | 南吉童話の闇と光 | 遠山 光嗣(新美南吉記念館学芸員) 他者と自分は全く違う意識の世界にいて人間は本質的に孤独であること。自分は自分で思うほど正しくない弱い存在であること。南吉童話には、この人間についての二つの真実を知るという体験が描かれています。そこにある孤独や不安という闇、そして誰もが美しく生きられる可能性という光について考えます。 |
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14:50-15:50 | 参考資料紹介 | 国際子ども図書館職員 | レジュメ(PDF形式:118KB)![]() ブックリスト(PDF形式:300KB) ![]() |
16:00-17:00 | 意見交換会 |
2日目 11月9日(火)
時間 | 内容 | 講師 | 当日配布資料 |
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9:30 | 受付開始 | ||
10:00-11:40 | 金子みすゞ—読みものとしての童謡— | 藤本 恵(都留文科大学文学部初等教育学科准教授) 童謡は、現代児童文学の中ではマイナーなジャンルです。にもかかわらず、金子みすゞの童謡は消費しつづけられています。みすゞ童謡の特徴や魅力を紹介しつつ、子どもが、童謡を歌うのではなく、詩として読むことの意味やおもしろさ、子どものための詩というジャンルの可能性を探ってみたいと思います。 |
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11:40-12:50 | 休憩 | ||
12:50-14:30 | 石井桃子 | 小寺 啓章(兵庫県太子町立図書館前館長) 石井桃子(1907−2008)の仕事は、創作、翻訳、編集、出版、批評など子どもの本の全般にわたります。『子どもの図書館』、『児童文学の旅』などの著書には「かつら文庫」の記録や英米の児童図書館員の姿も詳述。彼女の残した仕事や著書から、彼女が求めた子どものための文学と児童図書館とはいかなるものであったか考えます。 |
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14:40-16:20 | 赤羽末吉 | 吉田 新一(元国立国会図書館客員調査員、立教大学名誉教授) 今年2010年は、ヴィジュアル・ストーリーテラー赤羽末吉の、生誕100年、また 没後20年、にあたります。その節目の年に、戦後日本の絵本黄金期の一翼を 担った、国際アンデルセン賞受賞画家の諸相を、回顧しつつ、その代表作を、 ともに愉しみましょう。 |
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16:20-16:30 | 修了証書授与、閉会 |
平成22年度児童文学連続講座講義録「日本の児童文学者たち」

※本講義録「日本の児童文学者たち」の印刷版は、社団法人日本図書館協会から発売されています。印刷版の入手に関するお問い合わせは下記までお願いします。
社団法人日本図書館協会
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国立国会図書館国際子ども図書館 企画協力課協力係
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