学校図書館整備施策の実施状況(2019年度中間集計)

【2019-103】

2019年9月2日、全国学校図書館協議会(全国SLA)は、2019年5月に実施した「2019年度学校図書館整備施策に関するアンケート」の中間集計結果を公表した。調査対象である全国1,741の市区町村教育委員会のうち、623の教育委員会から回答を得た。主な調査結果は以下のとおり。

平均図書費

2019年度予算における小学校および中学校1校あたりの平均図書費は、小学校で433,051円(昨年度比+10,062円)、中学校で646,308円(昨年度比+66,524円)となった。小・中学校を合算し、昨年度予算と比較すると、増額もしくは同額となった市区町村がそれぞれ約3割、減額となった市区町村が約4割を占めた。

図書費予算額は、小・中学校ともに学校規模等で割り振って算定している自治体が約3割と最も多かった。学校図書館図書標準達成への不足度で割り振っている自治体は小・中学校ともに約2割である。

新聞購読費の予算化状況

小・中学校に新聞を配備するための費用を予算化している自治体は250市区町村(40.1%)、予算化していない自治体は371市区町村(59.6%)となり、予算化していない自治体が半数以上を占める結果となった。予算化している場合の平均購入数は、小学校で1.6紙、中学校で1.8紙である。予算化していない371市区町村のうち、92.5%を占める345市区町村は「消耗品費」等から学校裁量で購入している。

図書の廃棄状況

学校図書館の図書を更新するために、利用できない古い図書の廃棄を勧めている自治体は294市区町村(47.2%)となり、昨年度(44.4%)より増加した。

学校司書配置の予算化状況・雇用形態

学校司書(有償ボランティアを除く、学校図書館を担当する教員以外の正規または非正規の職員)の配置について、以前から配置している、もしくは新たに配置を予算化した自治体は、422市区町村(67.7%)と約7割を占めた。

学校司書を配置している自治体のうち、フルタイムの正規職員として雇用している自治体は6市区町村(1.4%)にとどまり、臨時・嘱託等で雇用している自治体は366市区町村(86.3%)と大半を占めた。また、正規および臨時・嘱託の両方がいる自治体は20市区町村(4.7%)となり、学校司書の雇用形態について、昨年度からの変化はほぼ見られなかった。

学校図書館担当者の研修状況

自治体による学校図書館担当教諭への研修は、行っていない自治体が261市区町村(41.9%)と約4割を占めた。一方、学校司書への研修は、年に複数回行っている自治体が191市区町村(45.0%)と4割を超え、実施回数は平均すると年に6.1回であった。研修は、各自治体の教育委員会が担当することが多い。


調査結果の詳細は、自治体ごとのアンケート結果を全国SLAのウェブサイトからPDFファイルで閲覧できる。

Ref:

(2019.09.24 update)