国際連合 “SDG Book Club” のブックリスト(目標10)

【2020-126】

国際連合(UN)は、 “SDG Book Club” として、6歳から12歳の子どもが「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)に親しめるようなブックリストを公開している。ブックリストでは、SDGsとして掲げられる「目標1」(Goal 1)から「目標17」(Goal 17)までが順番にとりあげられ、国連の6つの公用語(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語)の本が、各国語につき数冊ずつ紹介される。

なお、2019年4月の開始当初は、1か月毎に1つの目標に関するブックリストを発表し、2020年9月までに「目標17」(Goal 17)までのすべてのリストを発表する予定とされていたが、新型コロナウイルス感染拡大という世界的な状況もあってか、発表に遅れが生じている。2020年3月に「目標9」(Goal 9)のリストが発表された後、6月にようやく「目標10」(Goal 10)のリストが発表され、9月15日時点で次のリストは未公表である。

英語のブックリストに掲載された作品は以下のとおりである。(作者の日本語読みは、判明した場合のみ記載した。)

Goal 10 “Reduced Inequalities”(人や国の不平等をなくそう:国内及び国家間の不平等を是正する)

This Child, Every Child
written by David J. Smith(デヴィッド・J・スミス), illustrated by Shelagh Armstrong(シェラ・アームストロング)
世界の子どもたちが置かれている状況についての統計や物語を通して、読者の視野を広げつつ、だれもが尊重される平等な世界の実現に向けて取り組むよう働きかける。

A Home of Our Own
written by Meghaa Aggarwal, illustrated by Habib Ali
家のない子どもたちが町で見つけたものを使ってままごと遊びをする姿を通じて、子どもたちが生きる厳しい現実を伝える。

Little Mouse and the Red Wall”(邦訳『かべのむこうになにがある?』)
written and illustrated by Britta Teckentrup(ブリッタ・テッケントラップ)
壁に囲まれて暮らしていたネズミはある日、その向こうになにがあるのかを知ろうとする。恐怖に向き合い乗り越えることを伝える希望に満ちた物語でありつつも、自由は決して皆にとって当然のものではない現実が描かれる。

I’m a Global Citizen: We’re All Equal
written by Georgia Amson-Bradshaw(ジョージア・アムソン=ブラッドショー), illustrated by David Broadbent
魅力的な絵で、世界に様々な形で存在している不平等について伝えるとともに、それをなくすためにできることが示されている。

The Lost Homework
written by Richard O’Neill, illustrated by Kirsti Beautyman
トレーラーハウスに住む主人公の少年はある週末、家族や近所の人を助けなくてはならなくなり、宿題のワークブックをなくしてしまう。がっかりした彼は、週末の出来事を先生や級友に正直に話す。読者は、学校の外で学ぶことは宿題と同じくらい重要であることに気付かされる。

Ref:

(2020.09.16 update)