2021年プリンツ賞の受賞作品決定

【2021-024】

2021年1月25日、米国図書館協会(American Library Association: ALA)の一部門であるヤングアダルト図書館サービス協会(Young Adult Library Services Association: YALSA)は、プリンツ賞(Michael L. Printz Awardの受賞作を発表した。同賞は、前年に出版された優れたヤングアダルト文学に与えられる。

受賞作品

“Everything Sad is Untrue (a true story)”
Daniel Nayeri

受賞を発表したALAの公式ホームページでは、同作について、「中学生の Daniel がかつて難民としてイランを逃れた時のことを、無関心で時に意地悪なクラスメイトたちに語る。記憶と逸話を継ぎ合わせた物語は層を成し、千一夜物語風で、西欧の色に染まっていない。複雑で面白く、圧倒的な力をもって、記憶や家族、物の見方への理解を深める。」と紹介されている。

審査委員長はこの作品に対し、「読者は、ユニークなかたちで難民を描いたこの物語を通して、だれもが葛藤を抱えている中学時代に向き合うだろう」と評価した。

作者のNayeri はイランで生まれ、難民キャンプに滞在した後、8歳の時に家族と共にオクラホマ州に渡った。創作のほか、編集や出版も手掛けている。

なお、同賞の次点作品にあたるプリンツ賞オナーブックには、以下の4作品が選ばれた(作者の日本語読みは、判明した場合のみ記載した)。

  • Eric Gansworth “Apple (Skin to the Core)”
  • Gene Luen Yang(ジーン・ルエン・ヤン) “Dragon Hoops”
  • Candice Iloh “Every Body Looking”
  • Traci Chee “We Are Not Free”

Ref:

(2021.03.08 update)