学校図書館整備施策の実施状況(2021年度中間集計)
2021年11月4日(木)、全国学校図書館協議会(全国SLA)は、2021年度「学校図書館整備施策に関するアンケート」の中間集計結果を公表した。本アンケート調査は、2021年6月に実施された全国1,741の市区町村教育委員会を対象とする悉皆調査であり、647の教育委員会から回答を得た(2021年10月4日現在。回収率37.2%)。主な調査結果は以下のとおり。
平均図書費
2021年度予算における小学校及び中学校の1校あたりの平均図書費は、小学校で449,199円(昨年度比+79円)、中学校で576,020円(昨年度比-18,138円)となった。小学校は前年度比+18,497円であった昨年度とほぼ同額を維持したが、中学校は前年度比-1,458円であった昨年度に続き、予算が縮小された。また、市区町村の割合で見ると、昨年度予算より増額もしくは同額となった自治体の割合と減額となった自治体の割合が半々となっている。
図書費予算額は、小・中学校ともに学校規模等で割り振っている自治体が約3割ともっとも多く、学校図書館図書標準達成への不足度で割り振っている自治体は約2割である。
「学校図書館用の新聞購読費」の予算化状況
学校図書館用の新聞購読費について、新聞配備のために費用を予算化している自治体は251市区町村(38.8%)と回答数の半数以下である。昨年度に続き、予算化していない自治体が半数以上を占めているが、このうち「消耗品費」等から学校裁量で購入している自治体は9割を超えている。予算化している場合の平均購入紙数は、小学校で1.5紙、中学校で1.7紙である。
学校司書配置の予算化状況と雇用形態
学校司書の配置について、以前から配置をしている、もしくは新たに配置を予算化した自治体は、468市区町村(72.3%)と回答数の約7割を占めている。
学校司書が配置されている自治体のうち、学校司書をフルタイムの正規の職員として雇用している自治体は10市区町村(2.1%)である。一方、臨時・嘱託等の職員として雇用している自治体は407市区町村(87.0%)と9割近い。正規および臨時・嘱託の職員両方がいる自治体は20市区町村(4.3%)である。
学校図書館担当者の研修状況
学校図書館担当教諭の研修を毎年1回以上行っている自治体は193市区町村(29.8%)、学校司書の研修を毎年1回以上行っている自治体は260市区町村(学校司書を配置している468市区町村のうち55.6%)となっている。研修は、主に教育委員会が担当している。
「新型コロナウイルス感染防止対策」費用の予算化状況
学校図書館における「新型コロナウイルス感染防止対策」費用について、既に予算化している、または2021年度中に予算化予定であると回答した自治体は183市区町村(28.3%)となっている。これらの自治体のうち、学校図書館用としての予算化は6市区町村(3.3%)、学校全体の用途としての予算化は171市区町村(93.4%)である。一方、今年度予算化の予定はないとした自治体は462市区町村(71.4%)と約7割を占めている。
調査結果の詳細および自治体ごとの回答は、全国SLAのウェブサイトから閲覧できる。
Ref:
- 全国学校図書館協議会 > 図書館に役立つ資料 > 学校図書館整備施策の実施状況
https://www.j-sla.or.jp/material/research/post-45.html - 2020年度の小・中学校図書館整備施策の実施状況【2021-049】
https://www.kodomo.go.jp/info/child/2021/2021-049.html