2022年プリンツ賞受賞作品決定

【2022-017】

2022年1月24日(月)、米国図書館協会(American Library Association: ALA)の一部門であるヤングアダルト図書館サービス協会(Young Adult Library Services Association: YALSA)は、プリンツ賞(Michael L. Printz Award)の受賞作を発表した。同賞は、前年に出版された優れたヤングアダルト文学に与えられる。

受賞作品

Firekeeper’s Daughter
Angeline Boulley

先住民であるオジブワ族の父と白人の母を持ち、オジブワ族居留地と故郷の町のどちらにもなじめない Daunis は、ある日、親友が殺されるのを目撃する。それを機に、Daunis は、コミュニティを壊す危険なドラッグを調査するFBIのスパイとして働きはじめる。そして昔の人間関係や新たな恋をめぐって新事実がうかびあがる中、自身の文化的ルーツを見つめ直す。

作者の Boulley はオジブワ族のルーツを持つ作家であり、本作がデビュー作であった。

同賞審査委員長は、「現代の居留地の生活を描きつつ、強い女性が活躍するスリリングなミステリーである。ネイティブ・アメリカンの文化、居留地と外の世界の両方を揺るがすドラッグについて、ユニークな視点でとらえている」と評価した。

同作は、デビュー作のヤングアダルト作品に贈られるウィリアム・C・モリスYA新人作家賞も合わせて受賞した。

なお、次点作品にあたるプリンツ賞オナーブックには、以下の4作品が選ばれた。

  • Angie Thomas(アンジー・トーマス) “Concrete Rose
  • Malinda Lo “Last Night at the Telegraph Club”
  • Kekla Magoon “Revolution In Our Time: The Black Panther Party’s Promise to the People”
  • Lisa Fipps “Starfish”

Ref:

(2022.02.27 update)