2023年フェニックス賞、フェニックス絵本賞の受賞作品決定

【2022-092】

米国児童文学協会(Children’s Literature Association: ChLA)は、フェニックス賞(Phoenix Award)とフェニックス絵本賞(Phoenix Picture Book Award)の受賞作品が決定したと発表した。

フェニックス賞

Walking the Choctaw Road
Tim Tingle

著者は、チョクトー族という米国の先住民である。同作では、19世紀に先住民族がミシシッピ川を越えオクラホマに強制移住させられた「涙の旅路」や、アフリカ系米国人とチョクトー族のつながりが語られ、また、奴隷の家族が自分たちの姿を見えなくすることによって逃げのびたり、老人が動物に変身したりするような、不思議な話もある。これらの物語の中で、著者はチョクトー族とキリスト教の伝統に基づき、赦し、栄誉、他者への敬意、癒し、不屈の精神に光を当てている。長老から伝承者として認められた著者が語る物語には、ユーモアとともに喪失や悲しみがあり、チョクトー族とその文化が長年ジェノサイドを生きのびてきたことを伝えている。

フェニックス絵本賞

Roller Coaster
Marla Frazee(マーラ・フレイジー)

疾走するジェットコースター、人々の緊張感や楽しんでいる様子、たまたま一緒に乗り合わせた様々な人たちが、つかの間同じ体験を共有する様が、流れるような線と短い言葉で描かれている。ページの割付が巧みで、絵には勢いがあり、人々の表情が細かくとらえられ、文字はジェットコースターの動きに合わせて配置されている。

フレイジーは2003年に “Mrs. Biddlebox” で、ゴールデン・カイト賞絵本(絵)部門を受賞している。

Ref:

(2022.11.09 update)