2023年ボローニャ・ブックフェア

【2023-029】

2023年3月6日(月)から9日(木)まで、世界最大の児童書の見本市であるボローニャ・ブックフェア(Bologna Children’s Book Fair)が開催された。毎年、同フェアには、出版社、作家、画家、翻訳家、エージェント、印刷・流通関係者、書店員、図書館員などが訪れる。なお、ボローニャ・ブックフェアで行われてきた版権売買について、ライツ・センター(Rights Centre)では、これまで子どもの本を扱っているエージェントに限ってサービスを行っていたが、2023年からは子どもの本に限らず大人の本を含め、またエージェントだけでなく、出展している出版社に対してもサービスを行うようになった。

ボローニャ・ブックフェアの概要

60回目を迎える本年のブックフェアでは、米国の作家 David Levithan(デイヴィッド・レヴィサン)とともに子どもの本の検閲について考えるパネルセッションのほか、日本の絵本画家であり、2020年に亡くなった安野光雅、コミュニケーションと抵抗の手段としてのウクライナのイラストレーション、困難を抱えた地域における読書推進、アフリカの出版、AI、版権の売買、自費出版、エージェントの仕事などをテーマにしたイベントが開催された。また2022年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞した韓国の Suzy Lee(スージー・リー)の展示、イタリアの作家 Italo Calvino(イタロ・カルヴィーノ)の作品にインスピレーションを得たイラストレーションや、ウクライナのアーティストが戦争の体験を描いたポスターの展示、3月8日(水)の国際女性デーに合わせた展示等が行われた。絵本原画展入選作品の展示会は、ブックフェア終了後、日本各地の美術館を巡回する予定である。

ブックフェアに合わせて、ボローニャ市内のサラボルサ図書館では、3月9日(木)に絵本作家の降矢ななによる『ちきゅうパスポート = THE EARTH PASSPORT : えほん作家から地球の子どもたちへ』のワークショップも行われた。

Ref:

(2023.05.01 update)