2024年リンドグレーン記念文学賞の受賞者決定

【2024-050】

2024年4月9日(火)、スウェーデン・アーツ・カウンシル(Swedish Arts Council)は、第22回リンドグレーン記念文学賞(The Astrid Lindgren Memorial Award)の受賞者を発表した。

受賞者

Indigenous Literacy Foundation
オーストラリア

Indigenous Literacy Foundation(ILF)は、オーストラリアの先住民の子どもたちが物語を読むこと、そして自分たちで物語を紡ぐことを楽しむことができるように支援することを目的に、2011年に設立された。

同賞ウェブサイトは、ILFについて、先住民の子供たちが、彼らが読んでいる本の中に、自分たち自身、自分たちの文化、そして自分たちの言語を発見することの重要性を掲げて活動している団体であると説明している。また、ILFの革新的で創造的な活動は、先住民の読書推進にとどまらず、固有の物語や言語、経験が認知されづらい、他の少数派社会集団の子どもたちのための活動にもインスピレーションを与えている、とされている。

同賞審査員は、ILFが先住民の地域コミュニティとの密な協力関係のもとに、様々なプログラムを通じて、オーストラリア本土とトレス海峡諸島の先住民コミュニティに属している子どもたちの識字や読書をサポートしていることを評価している。”Book Supply”プログラムは、先住民コミュニティに所属するメンバーも参加して選んだ本の詰め合わせパックを、小学校などに無料で提供するものである。他にも、言語の保存のために本を先住民言語に翻訳するもの、日常的に音読をさせたり演劇をさせることで幼児の識字能力向上を促すもの、コミュニティが主導となって児童書の出版を行ったり、子どもたちが自分たちの物語を創作し出版する機会を提供するもの、職場に設置するための、先住民の置かれている状況への理解を促進するきっかけとなるような選りすぐりの本のセットを提供するものなど、充実したプログラムを運営している。

日本からの候補者

2024年は、68か国から245の候補が挙がっており、日本からの候補は以下の通りだった。
  • 高橋留美子(漫画家)
  • 田島征三(絵本作家)
  • 東京子ども図書館
  • Ref:

    (2024.06.06 update)