2024年ボストングローブ・ホーンブック賞受賞作品決定
【2024-079】
2024年6月20日(木)、ボストングローブ・ホーンブック賞(Boston Globe-Horn Book Awards)の受賞者が発表された。同賞は、前年の6月から当年5月の間に、初めて米国で出版された児童書とYA作品を審査対象としている。前回まで詩はフィクションと同部門とされていたが、今回は「絵本部門」「フィクション部門」「ノンフィクションと詩部門(受賞作品はそれぞれから選出)」となった。また、2008年以来の「特別賞」も設けられた。受賞作品は以下のとおり。
受賞作品(一覧)
絵本部門
- Do You Remember? (『ねえ、おぼえてる?』)
- Sydney Smith(シドニー・スミス)
明かりを消したベッドで、母と子が思い出を語り合う。今は、家族三人の思い出のつまった家からは遠く離れた新居で、二人きり。でもいつか、これも思い出になり、懐かしく思い出す日が来る。
フィクション部門
- Remember Us
- Jacqueline Woodson(ジャクリーン・ウッドソン)
11歳のSageの世界は炎に包まれていた。地元では家が次々と全焼し、友人グループにも日に日に馴染めなくなっていく。でもその夏、SageはFreddyと出会った。二人はお互いに助け合いながら過去と現在、そして未来に向き合っていく。
ノンフィクション部門
- The Mona Lisa Vanishes: A Legendary Painter, a Shocking Heist, and the Birth of a Global Celebrity
- Nicholas Day ; illustrated by Brett Helquist(ブレット・ヘルキスト)
1911年にルーブル美術館から『モナ・リザ』が盗まれた事件を描いたノンフィクション。
詩部門
- Kin: Rooted in Hope
- Carole Boston Weatherford(キャロル・ボストン・ウェザーフォード); illustrated by Jeffery Boston Weatherford
母であるキャロルが詩を書き、息子のJefferyがイラストを描いた作品。奴隷時代から始まり現在にいたるまで、歴史の断片からルーツを辿るこの物語は、キャロルとJefferyの家族だけでなく、アメリカの無数の黒人たちの物語でもある。
特別賞
- The New Brownies’ Book: A Love Letter to Black Families
- Karida L. Brown and Charly Palmer
1920年にW. E. B. デュボイス(デュボアと表記する場合もある)がアフリカ系アメリカ人の子どもたちのために出版した同名の定期刊行物を、新たな内容を加えてまとめなおしたもの。
Ref:
- The Horn Book > Book Awards > Presenting the 2024 Boston Globe–Horn Book Award winners
https://www.hbook.com/story/bookawards/presenting-the-2024-boston-globe-horn-book-award-winners - ボストングローブ・ホーンブック賞(児童文学賞一覧(海外の主な児童文学賞))
https://www.kodomo.go.jp/info/award/foreign.html#bghb
(2024.09.08 update)