ミュンヘン国際児童図書館が、2024年の『ホワイト・レイブンズ』を発表

【2025-002】

ミュンヘン国際児童図書館は10月10日(木)、2024年の国際推薦児童図書目録『ホワイト・レイブンズ』(The White Ravens)を発表した。62か国44言語による216の掲載作品のうち、日本からは以下の8冊が選ばれた。

日本からの入選作品

なみのいちにち
阿部結 作、ほるぷ出版、2022年、ISBN:978-4-593-10307-2
なつやすみ(日本傑作絵本シリーズ)
麻生知子 作、福音館書店、2023年、ISBN:978-4-8340-8720-8
こどもべやのよる(岩波の子どもの本)
出久根育 文・絵、岩波書店、2024年、ISBN:978-4-00-115406-1
真昼のユウレイたち
岩瀬成子 作、芦野公平 絵、偕成社、2023年、ISBN:978-4-03-643250-9
やまの動物病院. 2 とらまる、山へいく
なかがわちひろ 作・絵、徳間書店、2023年、ISBN:978-4-19-865738-3
伝言
中脇初枝 著、講談社、2023年、ISBN:978-4-06-532533-9
どんぐり
たてのひろし さく、小峰書店、2023年、ISBN:978-4-338-36201-6
アチケと天のじゃがいも畑 : ペルーのむかしばなし
宇野和美 文、飯野和好 絵、BL出版、2024年、ISBN:978-4-7764-1122-2

ミュンヘン国際児童図書館と『ホワイト・レイブンズ』

ミュンヘン国際児童図書館は、約250言語67万冊以上の資料を所蔵する世界最大の児童図書館である。同館は原則として、出版社からの寄贈による蔵書構築を行っており、その中で特に優れた作品を掲載した『ホワイト・レイブンズ』を毎年刊行している。『ホワイト・レイブンズ』には「白いカラスのように、めったに見られないような優れた作品」の意が込められている。1984年に “Die Weißen Raben” としてドイツ語で創刊され、1986年以降は英語で出版されるようになった。

『ホワイト・レイブンズ』は、同館が所蔵する本の中から、同館の各言語部門担当者が必要に応じて外部の協力を得ながら選考する。文学性、デザイン性、テーマの普遍性、絵の素晴らしさなどのほか、アプローチがユニークであるか、他国の子どもにぜひ紹介したいかなども考慮して評価される。日本の本は毎年8冊(2013年までは15冊)が選ばれる。

毎年10月に開催されるフランクフルトブックフェアでは、同館の言語部門担当者が、『ホワイト・レイブンズ』に選ばれた作品の一部を紹介するイベントを行っている。また全作品が毎年春に開催されるボローニャ・ブックフェアで展示される。

『ホワイト・レイブンズ』の表紙絵

『ホワイト・レイブンズ』は2014年以降、前年に選ばれた作品の画家が、表紙絵を手がけるようになった。今年は、スイスで出版されたグラフィックノベル “Khat. Journal d’un réfugié” が、2023年の『ホワイト・レイブンズ』に掲載されたスペインの画家 Ximo Abadía(シモ・アバディア)が表紙絵を描いた。本の形をしたテントの上に白いカラスがとまり、女の子が中で本を読んでいる姿が描かれている。

Ref:

(2025.01.14 update)

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