2025年プリンツ賞受賞作品決定

【2025-023】

2025年1月27日(月)、米国図書館協会(American Library Association: ALA)の一部門であるヤングアダルト図書館サービス協会(Young Adult Library Services Association: YALSA)は、プリンツ賞(Michael L. Printz Award)の受賞作を発表した。同賞は、前年に出版された優れたヤングアダルト文学に与えられる。

受賞作品

Brownstone
Samuel Teer 文、Mar Julia 絵

同作は、1995年のニューヨークを舞台にしたグラフィックノベルである。主人公の少女は夏の間、それまで会うことのなかった父親とはじめて一緒に、荒廃したブラウンストーン(褐色砂岩を外壁に張ったアパート)で暮らすことになる。二人で建物を修復し、言葉の壁を越えて父親を理解しようとする中で、主人公はグアテマラのルーツについて考え、コミュニティの重要性に気づく。

審査委員長からは、「十代の少女が父親とふたたびつながり、受け継いだグアテマラの文化を知る姿が、美しく描かれている。心動かす絵が、物語を高めている」と評された。

なお、次点作品にあたるプリンツ賞オナーブックには、以下の4作品が選ばれた。

  • Safia Elhillo “Bright Red Fruit”
  • Andrew Joseph White “Compound Fracture”
  • Molly Knox Ostertag “The Deep Dark”
  • Rex Ogle “Road Home”

Ref:

(2025.03.26 update)