第9代目児童文学大使(米国)

【2025-025】

2025年2月3日(月)、マック・バーネット(Mac Barnett)が、米国の第9代目児童文学大使(National Ambassador for Young People’s Literature)に指名された。

児童文学大使は、生涯にわたる識字能力、教育、生活の発展と向上における、子どもの本の重要性を示す目的で、2008年に創設された。米国民、または米国在住の作家・画家で、子どもの本に大きな貢献をしただけでなく、読書推進のために、積極的かつ定期的な活動を行える者の中から、教育者、図書館司書、書店員、児童文学専門家等からなる選定委員会の推薦に基づき、米国議会図書館長が隔年で指名する。

発表時のプレスリリースによれば、バーネットは、言葉と絵の融合によってつくられる絵本の力と、絵本がもたらすユニークな読書体験はしばしば、生涯にわたる読書の基礎をつくると考えている。また、絵本はアメリカの芸術の真髄を表すものであり、アメリカの最上の文学の中に位置づけられるべきだとも述べている。

バーネットは就任にあたり、「自分が話をするだけではなく、子どもの話も積極的に聞いていきたい」「子どもだけでなく大人に対しても、絵本を読むことのすばらしさを伝えたい」と語った。「絵本を見よ!見て、聞いて、感じる物語を称えよう」(“Behold, The Picture Book! Let’s Celebrate Stories We Can Feel, Hear, and See”)を方針として、2年間の活動を予定している。

バーネットは2012年に “Extra Yarn”Jon Klassen(ジョン・クラッセン)絵)(邦訳『アナベルとふしぎなけいと』)でボストングローブ・ホーンブック賞絵本部門を受賞した。また2020年に “Triangle” “Square” “Circle”Jon Klassen(ジョン・クラッセン)絵)(邦訳『サンカクさん』『シカクさん』『マンマルさん』)のドイツ語版でドイツ児童文学賞絵本部門を受賞した。クラッセンとともに、『サンカクさん』『シカクさん』『マンマルさん』をもとにしたApple TV+のストップモーションアニメ “Shape Island”(邦訳「カタチの島」)の制作も手掛けている。

Ref:

(2025.04.07 update)