2018年リンドグレーン記念文学賞受賞者決定

【2018-034】

2018年3月27日、スウェーデン・アーツ・カウンシル(Swedish Arts Council)は、第16回リンドグレーン記念文学賞(The Astrid Lindgren Memorial Award)の受賞者が、米国の児童文学作家ジャクリーン・ウッドソン(Jacqueline Woodson)に決定したと発表した。

授賞理由として、「ウッドソンの作品には、自分の生きる場所を見つけようとする子どもたちのしなやかな力が描かれている。空気のように軽やかな言葉で、深く、豊かな物語を紡ぎ、悲しみと希望の間にある日々の、ユニークで詩的な調べを捉える作家である。」と評価された。ウッドソンの作品は一人称で書かれているが、登場人物それぞれに自分の言葉で語らせることで、現代に生きるひとりひとりの物語を伝えている。

ウッドソンは1963年、オハイオ州コロンバスに生まれた。ウッドソンは、子どもには、自らの経験を映し、それを肯定するための鏡が必要だという信念の下に、創作している。思春期の心理描写と人物造形は卓越しており、それは、デビュー作の “Last Summer With Maizon”(邦訳『マーガレットとメイゾン』)にも表れている。同作は、少女の友情を描いた三部作の一作目にあたり、1990年に刊行された。その後も、人種差別、偏見、貧困、社会的弱者、性的少数者等をテーマに、ヤングアダルト作品のほか、児童文学、詩集、大人向けの本など幅広く手がけている。2014年に、アフリカ系米国人としての子ども時代を詩で表した “Brown Girl Dreaming” で、全米図書賞児童文学部門を受賞した。また、同年、国際アンデルセン賞作家賞の最終候補に選ばれた。2018年には、米国の第6代目児童文学大使(National Ambassador for Young People’s Literature)に就任した。

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(2018.05.09 update)