2024年ニューベリー賞、コルデコット賞受賞作品決定

【2024-018】

2024年1月22日(月)、米国図書館協会児童図書館サービス協会(Association for Library Service to Children, a division of the American Library Association: ALSC, ALA)は、2024年のニューベリー賞(Newbery Medal)とコルデコット賞(Caldecott Medal)の受賞作品を発表した。前年に米国で発表された英語の児童書のうち、ニューベリー賞は児童文学、コルデコット賞は絵本を対象とし、米国在住の作家および画家に与えられる。

ニューベリー賞

The Eyes and the Impossible
Dave Eggers(デイヴ・エガーズ)

公園を見張りながら暮らす犬の物語であり、自由や友情が描かれている。審査委員長からは、「自由な魂を持つ犬の心の内に、読者は引き込まれる」と評された。

エガーズは作家・ジャーナリストであり、独立系出版社 McSweeney’s の創設者でもある。抑圧されている人々の声を伝える団体 Voice of Witness を共同で設立したほか、低所得の移民家庭など、さまざまな背景を持つ子どもたちのための教育センターのネットワーク 826 National を共同で設立し、そうした子どもたちの大学進学や学びを支援する非営利団体 ScholarMatch も創設した。

なお、次点作品にあたるニューベリー賞オナーブックには、以下の5作品が選ばれた。

  • Nasuġraq Rainey Hopson “Eagle Drums”
  • M.T. Anderson(M.T.アンダーソン)“Elf Dog and Owl Head”(Junyi Wu(ジュンイ・ウー)絵)
  • Pedro Martín “Mexikid: A Graphic Memoir”
  • Erin Bow “Simon Sort of Says”
  • Daniel Nayeri “The Many Assassinations of Samir, the Seller of Dreams” (Daniel Miyares 絵)
  • コルデコット賞

    Big
    Vashti Harrison

    目立つこと、見えない存在のように感じること、子どもが自身を受け入れ、愛せるようになるまでの過程、その中で言葉が持つ大きな力、個性や立ち直る力が描かれている。小さく痩せていることに価値が置かれる世界で、体の大きな少女が感じていることが、ピンクやグレーの色で表されている。審査委員長からは、「人を傷つける言葉の縛りから自由になろうとする、少女の心の動きが、巧みな色づかいと空間構成から伝わってくる」と評された。

    Harrison はカリブのルーツを持ち、映画も制作している。

    なお、次点作品にあたるコルデコット賞オナーブックには、以下の4作品が選ばれた。

  • Marla Frazee(マーラ・フレイジー)“In Every Life”
  • Molly Mendoza “Jovita Wore Pants: The Story of a Mexican Freedom Fighter”(Aida Salazar 文)
  • Jerome Pumphrey、Jarrett Pumphrey “There Was a Party for Langston”(Jason Reynolds(ジェイソン・レノルズ)文)
  • Hanna Cha “The Truth About Dragons”(Julie Leung 文)
  • Ref:

    (2024.03.15 update)