本を読んで世界を知ろう― 学校図書館セット貸出しができるまで

3. 貸出し準備

(1) 購入

資料を決定し、購入します。児童書は再版される資料が少なく、発注後に入手不能になることも少なくありません。購入できない場合は、もう一度別の資料を選びます。

(2) 解題執筆

50冊が決まると、資料をさらに読み込み、先生や学校司書に内容を紹介するために解題を書きます。解題は150字程度で、本の内容のほかセットに入れた目的や、生徒が読みたくなるようなおもしろいエピソードを紹介します。
洋書は、理解を深めるために、その言語に精通した職員に協力をあおぎ、あらすじをつけます。

(3) 貸出し準備

資料の耐久性を高めるためのブックコートをかけ、ラベルを貼る等の処理を経て、新しいセットが出来上がります。

4. 利用校の声

☆中南米セット(中学校向き)の生徒の感想から☆
◆『学校に行けないはたらく子どもたち』
私は「学びたくても学べない」ではなく、「学びたくなくても学ぶ」状況。この本は、この世界に生きる人が皆、読むべき本!
◆『ガラパゴスがこわれる』
この本は、僕に本当の意味の「人と動物の共存」を教えてくれた。
◆『世界のスポーツ1南北アメリカ』
この本を読んで、マイナーのスポーツのルールがわかった。新しいスポーツ観戦ができそう。
◆南北アメリカのお菓子
ペルーのお米を牛乳で煮て作るお菓子にびっくり。日本と違う食文化を知ることができておもしろかった。

おわりに

以上、セット貸出しができるまでをご紹介しましたが、地域を知るためのツールを使って資料を探す以外に、日頃から当該地域の新刊の情報や出版目録に目配りし、情報を得るようにしています。
国際子ども図書館のセット構築をご紹介することで、初めて一人で学校に配属された司書の方や、図書館以外のところから配属された公共図書館の方が、あるテーマで学校に貸出す本を集める際に参考にしていただければと思います。