2025年ボローニャ・ブックフェア

【2025-029】

2025年3月31日(月)から4月3日(木)まで、世界最大の児童書の見本市であるボローニャ・ブックフェア(Bologna Children’s Book Fair)が開催された。毎年、同フェアには、出版社、作家、画家、翻訳家、エージェント、印刷・流通関係者、書店員、図書館員などが訪れる。本年は初めて、出版とゲームビジネスをつなぐ場として、会場内にゲーム・ビジネス・センターが設けられた。

ボローニャ・ブックフェアの概要

ブックフェアでは、毎回参加国のひとつを主賓国として取り上げており、62回目を迎える本年の主賓国はエストニアだった。40人のエストニアの画家の展示「やあ!」(Hello!/Tere!)やワークショップ等が行われた。

会場ではこのほか、ジェンダー表現の変化をはじめとしたSDGsに関するイベントや、様々な国の学校における漫画をテーマにしたイベントのほか、AIと創作・出版の関係、出版80周年を迎える『長くつ下のピッピ』、子どもの本の作家による社会的な活動、東南アジアの出版市場、ウクライナの戦争の漫画などを取り上げたパネルセッション、2024年国際アンデルセン賞画家賞を受賞したシドニー・スミスや2020年リンドグレーン記念文学賞を受賞したペク・ヒナのワークショップ等が開催された。また、ここで開かれた絵本原画展入選作品の展示会は、ブックフェア終了後、日本各地の美術館を巡回する予定である。

ボローニャ市内では、フランスを中心に活躍するアーティスト・ポール・コックスの展示や、2024年に亡くなったデザイナー・造本作家の駒形克己を追悼し、幼い子どもと舞台芸術の出会いというテーマでつくられた彼の作品の展示等が実施された。

日本の児童書の展示・イベント

日本の赤ちゃん絵本の特徴、日本で絵本を出版するための方法に関するイベントや、日本語の絵本をイタリア語に訳す翻訳ワークショップ、 SDGsボードゲーム「いたばしさんぽ」や日本のSDGsの絵本の紹介などが開催された。絵本美術館についてのパネルセッションでは、板橋区立美術館が紹介された。駒形克己の作品やイタリアでの活動をたどるパネルセッションも行われた。

Ref:

(2025.04.26 update)