第30回日本絵本賞の受賞作品決定

【2025-064】

2025年5月15日(木)、全国学校図書館協議会(全国SLA)は、第30回日本絵本賞の受賞作品が決定したことを発表した。

日本絵本賞は、絵本芸術の普及、絵本読書の振興、絵本出版の発展に寄与することを目的として1995年に創設された。今回は2024年1月から12月までに刊行された絵本のうち、全国SLA選定委員会が選んだ752点(うち翻訳絵本209点)を対象とし、その中から絵本委員会が選んだ30点(うち翻訳絵本13点)が最終候補となっていた。その後、最終選考会により、受賞作が決定した。

受賞作品(一覧)

第30回日本絵本賞大賞

ぼくはふね
五味太郎 作、福音館書店、2024年、ISBN:978-4-8340-8773-4

嵐に巻き込まれたちいさな船は、ヘリコプターに吊り上げられて助け出された際、地面の上に置かれてしまい、もうどこへも行けないと嘆いていた。そこへほかの船がやってきて、ちいさな船にあるアドバイスをする。

第30回日本絵本賞

ひとのなみだ
内田麟太郎 文、nakaban 絵、童心社、2024年、ISBN:978-4-494-01597-9

ロボットの兵隊が戦争に行く世界で、安心して暮らしているぼくたち。もう間もなく自分の国が大勝利をおさめようとしていた時、突然テレビにうつった本当の戦争の姿とは。

ゆきのこえ
おーなり由子 文、はたこうしろう 絵、講談社、2024年、ISBN:978-4-06-537471-9

朝、男の子が窓を開けると、そこは一面の雪景色だった。さっそく外に出て長靴で雪を踏みしめてみると、「くすす、くすす、きゅっ、きゅっ……」、まるで雪が笑っているような声が聞こえてくる。本作は、第56回講談社絵本賞受賞を受賞している。

第30回日本絵本賞翻訳絵本賞

ねえ、おぼえてる?
シドニー・スミス 作、原田勝 訳、偕成社、2024年、ISBN:978-4-03-425400-4

明かりを消したあと、母と子はベッドの上で会話をする。喜びと痛みをともなう思い出を振り返りながら、2人は新しい朝をむかえる。作者のシドニー・スミスは2024年国際アンデルセン賞画家賞を受賞している。

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(2025.08.17 update)