国立国会図書館を知ろう

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国立国会図書館のしごと

しょくばほうもん

ここでは、たくさんある仕事の中からとくちょうのあるものをえらんで紹介(しょうかい)します。
ほかにも、図書館がもっと便利(べんり)になるように、いろいろな勉強をしたり、あたらしい計画を立てたりと、たくさんの仕事があります。

1図書館のきそになる仕事です【図書館資料整備課(としょかんしりょうせいびか)】


本のかしだし作業のをしているところ

全国の図書館から申しこみのあった本のかしだし手つづきをします。たくさんの本が、日本中、世界中の図書館にかしだされています。(図書館に来た人が本を借りて帰ることはできませんが、家の近くの図書館などで探しても本がない時に、その図書館が国立国会図書館の本を借りて、利用者(りようしゃ)に見せることがあります)。
かしだす前に、申しこみの内容(ないよう)と本が合っているか、本がよごれたりこわれたりしていないか、ていねいに確認(かくにん)します。あてさきごとにまとめて、こわれないようにつつんで送ります。


窓口で質問にこたえているところ
「インフォメーション」という窓口(まどぐち)にすわって、図書館に来た人たちの質問(しつもん)に答えます。
さがしている本のことから、「トイレはどこ?」まで、いろいろなことを聞かれますので、短い時間でその人の役に立つ答えを返せるよう、ふだんから勉強がかかせません。
もっとくわしいことを知りたい人には、専門(せんもん)の部屋を案内します。

書庫で本を整理しているところ
国立国会図書館の本は、どんどんふえつづけています。
書庫がいっぱいにならないように、関西館や国際子ども図書館の書庫をあわせて、なるべくたくさんの本を入れられるようにみんなでくふうしています。
また、古い本を、いつでも、だれでも、どこからでもパソコンなどで見ることができるように、「デジタル化」 をする作業を進めています。

2出版物(しゅっぱんぶつ)を集めて整理する仕事です【国内資料課(こくないしりょうか)】


しりょうの仕分けをしているところ
毎朝、郵便(ゆうびん)などでとどいた山のようなしりょうをひとつひとつふうとうから出して、図書、雑誌(ざっし)、新聞と分けていきます。これが“仕分け”です。

しりょうをかくにんしているところ

取次(とりつぎ)からたくさんの本が自動車で運ばれてきます。取次とは、いろいろな出版社(しゅっぱんしゃ)の本をまとめて書店にとどける仕事で、同じように図書館にも本をとどけてくれます。日本では毎日毎日たくさんの本が出版されるので、取次からとどく本も一日何百さつにものぼります。

とどいた本がよごれていないか、ページがそろっているかなど、1さつずつていねいに調べます。よごれていたり、やぶれていたり、印刷(いんさつ)がまちがっていたりする本があったら、出版社に取りかえてもらいます。


しりょうの情報を登録しているところ
図書館にとどいたしりょうを、みんなが使えるようにします。パソコンを使って、ひとつひとつしりょうの情報(じょうほう)を登録(とうろく)していきます。
しりょうはたくさんあるので、みんなで手分けして作業をしても、とても時間がかかります。

3国会議員の調べもののお手つだいをする仕事です【農林環境課(のうりんかんきょうか)】


電話で質問を聞きとっているところ
朝、仕事を始めるとすぐに、国会議員(こっかいぎいん)の秘書(ひしょ)から電話がかかってきました。国会で話し合いが行われるテーマについて質問(しつもん)され、調べものをたのまれます。
さいきんは、わからないこと、知りたいことをまずインターネットで調べてみることも多くなりました。
国会議員やその秘書から質問を受けると、さいしょにインターネットで、すぐにわかることを調べます。

書庫で本や雑誌を探しているところ
さらに、国立国会図書館の本や雑誌(ざっし)などを使って、調べていきます。
国立国会図書館は、インターネットを通じて、コンピューターで本や雑誌を調べることができるデータベースを持っています。たくさんある本や雑誌の中から、質問に答えるために役に立つものを、データベースでさがします。
データベースで見つけた本や雑誌を、実際(じっさい)に書庫に見に行きます。

しりょうを読んでいるところ
質問に答えるために必要(ひつよう)なしりょうをまとめます。
こうして調べものをしているあいだにも、ほかの国会議員や秘書から、新しい質問がくることがあります。

調べたことを報告しているところ
調べたことは、なるべく早く、質問をした国会議員にお知らせします。
必要な本をとどけるだけでなく、調べたことをまとめた報告書(ほうこくしょ)を出したり、国会議員のところに行って、説明(せつめい)をしたりすることもあります。

調査員(ちょうさいん)は、いろいろなことに答えられなければいけません。今、日本や世界で、どんなことが起こっているのか、それはなぜなのか、質問されたら答えられるように勉強します。そのために何十もの日本や世界の新聞・雑誌を、毎日読みます。いろいろな人の意見も聞きます。そうして日本や世界で、これから問題になりそうなことについて説明する文章を書きます。
こうやって、明日、もっといい調査(ちょうさ)ができるようにがんばっています。


4科学や社会についての調べもののお手つだいをする仕事です【科学技術・経済課(かがくぎじゅつ・けいざいか)】


開館の準備をしているところ
科学技術・経済情報室(かがくぎじゅつ・けいざいじょうほうしつ)には、科学や社会について調べるための本があり、レファレンスカウンターでは図書館に来た人たちの調べもののお手つだいをしています。
国立国会図書館が開館するのは9時30分で、それより前に準備(じゅんび)をします。

カウンターで図書館に来た人の質問に
こたえているところ
あるテーマを調べるための本のさがしかたについて、よくきかれます。そのときは、パソコンや本だなの本をつかって、調べていることがのっている本を案内(あんない)します。
メールで全国の図書館から届く質問(しつもん)にもこたえます。

古い本と新しい本を入れかえているところ
国立国会図書館には、日本や外国の本が毎日たくさん入ってきます。その中から調べものに役立つ本をえらんで本だなにならべて、古い本と入れかえます。本に書かれている情報(じょうほう)が古くなると調べものの役に立たなくなることもあるからです。入れかえた古い本は書庫に入れます。
リサーチ・ナビ
リサーチ・ナビのトップページ
国立国会図書館のホームページには、「リサーチ・ナビ」という調べものの役に立つ情報があります。インターネットでみられるので、図書館に来る前に調べておいたり、図書館に来られない人が家で見たりすることができます。
今までの質問から、よく聞かれるものやすぐに答えられなかったものなどをえらんで、よく調べてから、新しい情報をつくっています。
一度つくった情報も、ときどき見直して古くなっていたら書き直します。情報を新しくしておくことも、とても大事です。

  • 索引図
  • レコードのよごれをふきとっているところ

ここで紹介(しょうかい)した科学技術・経済情報室のほかにも、国立国会図書館にはいろいろな部屋があります。それぞれ、専門的(せんもんてき)なしりょうをまとめておいてあり、その分野のことで図書館に来た人たちの調べもののお手つだいをしています。

分野によって、地図室(ちずしつ)では「見たい地図をさがすための地図(索引図(さくいんず)といいます)」を作ったり、音楽・映像資料室(おんがく・えいぞうしりょうしつ)では白いてぶくろをしてレコードをきれいにしたり、それぞれにとくちょうてきな仕事があります。
いろいろなちがいはありますが、調べものをする人がしりょうをさがしやすいように、毎日毎日みんなで努力(どりょく)しているところは、同じです。


5図書館をつなぐ仕事です【支部図書館・協力課(しぶとしょかん・きょうりょくか)】


本の複写を手つだっているところ

国の省庁(しょうちょう)や最高裁判所(さいこうさいばんしょ)には、図書館がおかれています。これらの図書館を「支部図書館(しぶとしょかん)」と呼びます。
省庁や裁判所の人たちは、仕事のために、支部図書館だけでなく、国立国会図書館のしりょうも使います。

国立国会図書館の本を複写(ふくしゃ)(コピー)したいという人が来ました。
おや、これはずいぶん古い本ですね。ふつうのコピーのきかいで複写すると本をいためてしまいます。国立国会図書館の本は未来(みらい)の人にも使ってもらうための大切なものですから、ていねいにあつかわなくてはいけません。
そこでひみつ道具「上向き複写機(ふくしゃき)」の登場です。本をうつぶせにしておしつけるのではなく、上向きに開いて、文字を読み取ってコピーします。こうすることで、本をいためずにコピーすることができます。


支部図書館の人からしりょうを
受け取っているところ
国立国会図書館は、納本制度(のうほんせいど) によって、日本で出されたすべての出版物(しゅっぱんぶつ)を集めています。
そのうち、省庁・裁判所の出版物は、出版した省庁・裁判所の支部図書館でまとめておいてくれるので、それを国立国会図書館が受け取りに行きます。
また、支部図書館は、しりょうをおたがいに交換(こうかん)しているので、国立国会図書館は、それを集めたり配ったりするお手つだいもします。
そのため、国立国会図書館の自動車が支部図書館を回っています。これを"連絡自動車便(れんらくじどうしゃびん)"といいます。

雑誌をつくるための会議をしているところ
支部図書館や省庁・裁判所の人に役立ててもらうため、『びぶろす』という雑誌(ざっし)を出しています。雑誌といっても、紙の雑誌ではなく、インターネットで見てもらう雑誌です。(みなさんもパソコンなどで読むことができますよ。)
これから、雑誌をつくるための会議(かいぎ)が始まります。どのような特集(とくしゅう)を組む? どんな記事をのせる? だれに記事を書いてもらう? よりよい雑誌をつくるため、今日も会議はもりあがります。
よく話し合って、雑誌の中身が決まったら、明日から記事を書きます。

6電子図書館を作るためにはたらいています【電子図書館課(でんしとしょかんか)】


パソコンから、集めたホームページを
確認しているところ

インターネットには、本にはのっていない情報(じょうほう)もたくさんあります。しかし、インターネットにある情報はすぐにかわってしまい、昔の情報がいつまでものこっているとはかぎりません。そこで国立国会図書館はインターネットにあるホームページを集めて、いつまでも見ることができるようにほぞんしています。

ホームページを一つずつ、人の手で集めるのはとても時間がかかるため、人間のかわりに「収集(しゅうしゅう)ロボット」というプログラムがインターネットの中をさがして集めてくれます。


デジタル化されたデータを
確認しているところ
紙のしりょうを大切にほぞんするために、デジタル写真にとったものをコンピュータで見られるようにして、それを紙のしりょうの代わりに使ってもらう「デジタル化」をすすめています。
デジタル化されたデータがとどきました。写真がうまくとれているか、受け取ったデータを確認(かくにん)します。問題がなければ、「国立国会図書館デジタルコレクション」で見られるようにします。

ブルーレイディスクを書庫に
しまっているところ
紙のしりょうをデジタル化するときに作ったデータは、紙のしりょうと同じように長くほぞんします。ほぞん用の大きなデータはブルーレイディスクに入っています。このブルーレイディスクは書庫で大切に保管(ほかん)します。

7本を守り、未来につたえる仕事です【資料保存課(しりょうほぞんか)】


表紙のはずれた本を直しているところ

表紙がはずれてしまったり、ページがやぶれたりした本を、なるべく元の形に近くなるように直します。また、バラバラになってしまった本は、糸でとじ直します。
本を直すのにセロハンテープやホチキスなどは使いません。時間がたつと、色がかわったりサビたりして、もっと本がいたんでしまうからです。
そのため、和紙やでんぷんのりのような、本にやさしい材料(ざいりょう)を使って直します。

国立国会図書館の本は、100年後、200年後の未来(みらい)の人たちにつたえていかなければならない大切なものなので、注意ぶかく修理(しゅうり)しています。
写真は表紙のはずれた本を直しているところです。本のページのたばをせんようの道具を使ってきっちりとはさみ、紙を重ねたところに表紙をつけようとしています。べつに作ってある背表紙(せびょうし)の内がわに、はけでのりをぬっています。


虫が食ったあなに、のりとはけを使って和紙をはるところ

和紙でできた古い本は図書館に来る前に害虫(がいちゅう)に食べられてしまっていることもあります。食べられた穴は、和紙とでんぷんのりを使って、一つ一つていねいにふさいで直していきます。

また、古くなって、おり目が切れてしまった大きい地図などは、「裏打ち(うらうち)」といって、裏側(うらがわ)から新しい和紙をはりつけて、じょうぶにします。


わなに虫がかかっているか
どうか調べているところ

本を直すだけではなく、本がいたまないように守ることも資料保存課(しりょうほぞんか)の大切な仕事です。

本にカビが生えないように、書庫の温度と湿度(しつど)をはかって、本にかわったようすがないか書庫の見回りをします。

また、本を食べてしまう害虫がいないかどうか、「わな」をしかけて様子を見ています。

このように、100年後、200年後にも使えるように、いろいろなくふうをしています。

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