逆輸入絵本
日本の絵本作家の中には、海外で絵本が出版された後、国内で日本語版が出版されるという「逆輸入」の形で日本に紹介された作家もいます。その先駆的な存在が、きたむらさとし(1956-)です。1970年代にイギリスに渡ったきたむらは、1982(昭和57)年にイギリスで最初の絵本を発表して以降、イギリスと日本の双方で活動しています。
2000年代に入ると、絵本作家を目指す日本人が増え、中には海外でデビューする作家も現れました。その舞台となったのが、例年春にイタリアのボローニャで行われる児童書専門の見本市、ボローニャ・ブックフェアです。このブックフェアで開催される、児童書のイラストの国際コンクールであるボローニャ国際絵本原画展は、キャリアを問わず作品を応募することができ、絵本作家やイラストレーターの登竜門として知られています。今井彩乃(1980-)、米津祐介(1982-)などは、このコンクールで入選した作品が海外の編集者の目に留まり、絵本作家としてデビューしました。