国際連合 “SDG Book Club” のブックリスト(目標15)

【2022-008】

国際連合(UN)は、 “SDG Book Club” として、6歳から12歳の子どもが「持続可能な開発目標」(Sustainable Development Goals: SDGs)に親しめるようなブックリストを公開している。ブックリストでは、SDGsとして掲げられる「目標1」(Goal 1)から「目標17」(Goal 17)までが順番にとりあげられ、国連の6つの公用語(アラビア語、中国語、英語、フランス語、ロシア語、スペイン語)の本が、各国語につき数冊ずつ紹介される。

2021年12月には「目標15」(Goal 15)のブックリストが公開された。英語のブックリストに掲載された作品は以下のとおりである。(作者の日本語読みは、判明した場合のみ記載した。)

Goal 15 “Life on Land”(陸の豊かさも守ろう:陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る)

The Bee Tree
Stephen Buchmann(スティーブン・バックマン)and Diana Cohn

マレーシアの熱帯雨林で蜂蜜を採る原住民「ハニーハンター」についての本である。熱帯雨林の重要性を浮き彫りにしながら、受け継がれてきた文化、共に働くことやマレーシアに関する知識を学ぶことができ、学校の調べ学習にも利用できる。

Over and Under the Rainforest
Kate Messner(ケイト・メスナー)and Christopher Silas Neal(クリストファー・サイラス・ニール)

土地の豊かさ、その美しさを味わうことが魅力的な絵で表されている。登場した動植物については、用語解説の中で知ることができる。

A Forest in the City
Andrea Curtis and Pierre Prat

都市景観をテーマに、人と土地の関係性や木の大切さなどの重要な問いを、都市や都市近郊に住む子どもたちに投げかける。

The Life Cycle of a Polar Bear
Catriona Clarke

白熊の子どもが大人になるまでをたどった本である。北極の食物連鎖の頂点にいる白熊が、氷の世界で生き抜く様子が描かれている。

Wangari’s Trees of Peace: A True Story from Africa”(邦訳『ワンガリの平和の木 アフリカでほんとうにあったおはなし』)
Jeanette Winter(ジャネット・ウィンター)

母国・ケニアの森が壊されていくのを見て、自宅の裏庭に9本の苗木を植えたことから、環境活動家としてのワンガリ・マータイの運動は始まった。ノーベル平和賞受賞者の実話にもとづき、女性の情熱、決意とビジョンが大きな変化を起こすことが描かれている。

You’re Strong with Me
Chitra Soundar(チトラ・サウンダー)and Poonom Mistry

はじめて乾季を体験し、成長していくキリンの赤ちゃんに、母親が根気よく草原での生活を教える様子を描く。

Hoot and Howl Across the Desert
Vassiliki Tzomaka

暑くもあり寒くもある砂漠の景色が美しく描かれている。乾燥した土地で生きる何百ものめずらしい動植物、夜行性の生き物や危険生物、生き抜くための戦略や食物連鎖のしくみを知ることができる。

Ref:

(2022.01.25 update)