国際子ども図書館のイベント10年の歩み
公開対談「「ゆめいろのパレットII」の原画と絵本を語る」[参加者80名]講演会
2006年1月10日
「ゆめいろのパレットII-野間国際絵本原画コンクール入賞作品 アジア・アフリカ・ラテンアメリカから」展の関連行事として、それぞれ当コンクール国際審査員である、画家のスズキコージ氏と、安曇野ちひろ美術館館長松本猛氏による公開対談を実施しました。
展示中の原画の映像を交えた対談は対談者の絵本や原画に関する豊かな経験と見識を踏まえたもので、非常に充実し、かつ楽しい内容でした。
公開対談テキスト
講演会「ドイツの子どもの本の歴史」[参加者97名]講演会
2006年2月4日
「もじゃもじゃペーターとドイツの子どもの本」展の関連行事として、展示会監修者で関東学院大学教授の吉原高志氏による講演会を開催しました。
17世紀のヨーロッパにおける「子ども」という観念の発見、その後のドイツ語圏を中心とした子どもの本の紹介、子どもを独自の存在としてとらえ、一見啓蒙主義的であるが「ナンセンス」の要素も持つ『もじゃもじゃペーター』の成立についての説明がありました。続いて、20世紀以降のケストナーの文学に見られる対立と統一というドイツ的特質、反権威主義的児童文学からファンタジーの復権に至る子どもの本の流れをお話しいただきました。
講演会テキスト
子どものための春休みおたのしみ会イベント
2006年3月25~26日
本のよみきかせ(大型絵本)、わらべうた、人形劇「犬と猫とうろこ玉」(日本の昔話)などを行いました。
講演会「児童文学に見る子ども像-もじゃもじゃの系譜」[参加者83名]講演会
2006年4月22日
子ども読書の日の行事および「もじゃもじゃペーターとドイツの子どもの本」展の関連行事として、前お茶の水女子大学学長の本田和子(ますこ)氏による講演会を開催しました。
この講演は、古今東西の児童文学に登場する魅力的な主人公たちの中から、「もじゃもじゃ頭」で作品世界を飛び回る主人公を選び出し、「もじゃもじゃ」が象徴するものについて考える、というテーマで行われました。児童文学から「もじゃもじゃ」たちを抽出しつつ、それらが産み出された時代との相関関係を読み解き、現在の状況に注意を喚起する広い視野を備えた意義深い講演となりました。
講演会テキスト
講演会 第1部「近くて遠いムーミン谷」 第2部「北欧へのいざない-北欧の子どもの本と展示会の見どころ」[参加者95名]
講演会
2006年7月15日
「北欧からのおくりもの-子どもの本のあゆみ」展の関連行事として、翻訳家で聖心女子大学教授の冨原眞弓氏(第1部)と、本展監修者で東海大学助教授の福井信子氏(第2部)による講演会を開催しました。
第1部:トーヴェ・ヤンソンは「ムーミン」シリーズの著作で知られ、当館展示会でも代表的な作品を展示していました。講師はヤンソン作品の翻訳を数多く手がけ、ヤンソンとも親交がありました。講演ではヤンソンの人物像とその作品の紹介が行われました。数多くのヤンソン作品から「ムーミン谷」についての記述を引用し、また、ヤンソンの最後の絵本作品である『ムーミン谷へのふしぎな旅』(1977年刊)に触れながら、作品の構成や仮想の世界への導入についてわかりやすく解説するなど、ヤンソン作品を深く味わうことのできる示唆に富んだ講演でした。
第2部:まず、子どもの詩の朗読がCDで紹介され、各国・地域の言葉の響きを味わいました。次いで、展示のうち、時代順に構成された部分について、時代性、作品の背景解説を交えた見どころの紹介が行われました。また、テーマ別に資料を展示した特別コーナーについては、それぞれのテーマと特徴のある資料について詳しい解説が行われ、展示会の意義と展示資料についての理解を深める有意義な講演となりました。
講演会終了後、展示会場において同講師によるギャラリートークが行われました。
講演会テキスト
第1部:
第2部:
ギャラリートーク
イベント
2006年7月15日、8月9日、9月2日、10月14日、11月19日、12月16日、2007年1月20日
「北欧からのおくりもの-子どもの本のあゆみ」展の期間中、展示会監修者の福井信子氏、稲垣美晴氏、菱木晃子氏によるギャラリートークを計13回開催しました。
科学あそび「いろいろな音を楽しもう-身近なもので楽器作り」[参加者95名]イベント
2006年7月29~30日
4歳から参加可能な「打楽器コース」と小学1年生から参加可能な「管楽器コース」の2コースを設けた結果、両日合わせてのべ95名の参加がありました。
「打楽器コース」では紙袋のマラカス、「管楽器コース」ではストローのパンパイプなど、各コースとも身近なものを使って楽器を作成し、音の違いを楽しみました。また、作成方法が掲載されている資料を紹介すると、子どもたちはその場で資料を手にとって読んだり、終了後「子どものへや」で、資料を見ていました。
旧帝国図書館建築100周年記念セミナー[見学ツアー参加者51名、講演会参加者84名]
イベント
2006年9月30日
午前の部で行われた見学ツアーでは、通常はご覧いただけない屋根裏の木製の小屋組や、地下にある免震層部分などをご覧いただき、建物の歴史、構造、特色等について現場で説明を行いました。
午後の部では、講演会を行い、第一部では江戸東京博物館都市歴史研究室助教授の米山勇氏が「明治の近代建築」と題し、建物の画像を示しながら、西洋建築の様式の変遷と、西洋建築の日本への移植期である明治期建築の特色および旧帝国図書館の建物の持つ雄大さについて話されました。
第二部では神戸芸術工科大学名誉教授の坂本勝比古氏が「旧帝国図書館と上野の杜の文化的ストック―近代建築発展の中で」と題し、帝国図書館建築までの軌跡と建築関係者の群像を紹介し、上野公園の文化的ストックの豊かさを説明した後、公園内各文化施設の建築的特徴を伝統回帰とモダニズムの争いという観点から具体的に説明されました。
講演会テキスト
第1部:
第2部:
児童文学連続講座―当館所蔵資料を使って「絵本の愉しみ-イギリス絵本の伝統に学ぶ」[館外64名、館内からのべ98名]
その他
2006年10月16~18日
総合テーマを「絵本の愉しみ-イギリス絵本の伝統に学ぶ」として、全国の公共図書館等において児童サービスを担当する職員と国際子ども図書館職員を対象とした児童文学連続講座を開催しました。
「ノルウェーの子どもの本の歴史」「スウェーデンの子どもの本とその魅力」[参加者76名]
講演会
2006年11月9日
「北欧からのおくりもの-子どもの本のあゆみ」展の関連行事として開催しました。
第1部:講師のカーリン・ベアテ・ボル氏は、1985年から約20年間ノルウェー児童書研究所長であり、1994年ノルウェー児童文学者賞を受賞した児童文学の専門家です。講演では、ノルウェー児童文学の歴史を辿りながら各時代の主要な作品や作家・画家について豊富な画像を交え紹介していただきました。ノルウェー児童書研究所の役割や国立ノルウェー図書館との関係についても言及がありました。
第2部:翻訳家で本展スウェーデン語資料の監修者である菱木晃子氏が、展示会出展資料を中心に、年代を追ってスウェーデンの子どもの本と作家や画家を画像で紹介し、スウェーデン児童文学の特徴と魅力を述べられました。また、自身の翻訳活動におけるエピソードをユーモア溢れる語り口で紹介されました。
講演会テキスト
第8回図書館総合展
その他
2006年11月20~22日
電子図書館事業と資料保存の紹介を中心に、会場内でパンフレットの配布、ホームページのデモンストレーション等を行いました。
子どものための冬休み おたのしみ会
イベント
2006年12月24日
大型絵本の読み聞かせ、パネルシアター、手遊びなどを行いました。